縮毛矯正の仕組みは癖毛の出来る理由から!

縮毛矯正の基本の還元剤はチオがよさそう(アルカリ域での)と感じています。

癖毛を半永久的にまっすぐな状態で固定するには、髪の中で戻ろうとする力がないほうがよい、つまり応力が緩和されていなければならないようです。

癖毛は髪の毛が曲がっているわけですがその理由は、羊毛の研究から人毛と似通っているため研究の進んでいる羊の毛と髪の毛も同じ理由からだろうと推測されています。

ただし、はっきりはわからない。思うに・・・という範囲で書いておきます。(自分がすぐに忘れるから)

毛が出来るときには水分に満ちたところで細胞分裂して作られていきます。

外に伸びれば、余分な水分が乾燥するのですがその時にきれいに縮むたんぱく質と伸びて縮む(膨張して収縮する)たんぱく質が有るそうです。

伸びて縮むとは?

わかりづらい言葉ですがどうやら髪の毛の中の繊維の分子の束できちんと並んで束になっているものと細長い部分の中ほどを中心によれて両端が広がっているものがいて繊維の束の両端が広がっているのだからその繊維の間を考えた時に束のヨリが集まっているところはゼロ(に近い)なのですが両端は広がって繊維間の隙間が空いている事になります。そこに髪ができるときは水(細胞液か?)がはいり込んでいて外に出ると乾燥して隙間は縮む事になります。

繊維の束の広がった両端は縮むので、いわば斜め同士に束ねられた繊維が立ち上がる(平行に並ぶ)ことになれば長さが長くなりますよね。きれいに並んだ束のほうは水分も少ないだろうし乾燥しても長さは平衡だから繊維間の距離は縮まっても長さに変化はないはずです。

つまり両者に長さの差が生まれ、片方が突っ張るわけです。

髪の毛が出来て乾燥する前は長さが同じ繊維の束(捻じれたやつと平衡に束ねたやつがいる)が、乾燥により長さが違ってきてそれが髪の毛の片側に集中して出来ていたら、そこは突っ張って反対側に曲がるわけです。

それが生まれながらの髪の曲がりであり癖毛になるんじゃないでしょうかね。(毛穴の形とか角度とか教わったけど違うらしい)言葉では難しい(自分でも良くわかってないかも)のですが、コレが俗に言うパラコルテックスとオルソコルテックスの違いで、分布の違いによる曲がりなんでしょう。(ただし羊毛ほどははっきり偏ってないそうです)

湿気で髪の毛がモワモワしてくるのも、このコルテックスの偏りが影響しているようです。
オルソコルテックスは親水性で湿気も吸いやすいといえるわけで湿気が入ると膨張するのは容易に理解できます。

ブローやコテでいくらまっすぐにしてもパーマネントではないのですから湿気で簡単に戻ってしまいます。
更にこのツッパリが有るかぎり、髪の毛は自然にはまっすぐにはならないでしょう。

ということで、ツッパリを取るにはどうすればよいか?
この繊維はIF分子ともαへリックスとも呼ばれます(たぶん)コレの長さを変えるには有る程度の部分を折りたたむというかグチャグチャにしないと短くなんないですよね。

結晶性のタンパクだから抵抗性はすこぶる強いといえ、それに見合ったパーマ液の作用が必要なんでしょうね。
だから縮毛矯正は傷みが大きいんです。

このへんは、髪の毛を曲げるウエーブパーマとはかなり違うところであり、原理は同じながらウエーブは簡単に付くのに癖はなかなか伸びないといわれるゆえんでしょうね。(後述しますが、表面に作用するシステインパーマでもウエーブが十分に出る)

更に、その繊維たちを包んでいるたんぱく質(マトリックス)は柔らかくアモルファス(非結晶)な構造ゆえ簡単に壊れてしまうそうです。(壊れると外に流れ出てしまいやすい)

壊したいαへリックスが壊れる前にたくさんのマトリックス(球状タンパクともKAPともいう)が壊れてしまうのですから髪のダメージは大きいものになるでしょう。KAP(カップ)を壊す事も必要で、KAPを壊さないと包まれている(張り付かれている)繊維が動けない事になります。動かないと形が変わりません。

更に困った事にこのKAPが髪の毛のしなやかさや弾力に大きく影響しているといいます。
壊さないと伸びないし、壊すと傷んで弾力もなくなるという板ばさみですね。

ココで、大事なのがそのバランスでしょう。
髪の毛が伸びるくらいのぎりぎりのところまでのたんぱく質を壊して伸ばすというのは技術と経験ではないかと・・・

更にこのような状態に持っていくには、アルカリチオが良いといわれています。
還元剤として古くから有るチオグリコール酸ですが、髪の中まで容易に届くので中まで作用するという事が上げられます。

システインやシステアミンはプラスイオンも持っているために濡れた髪がマイナスに傾く(ダメージ毛ほど)ことで表面にくっついて中に入りにくいそうです。(システアミンは条件により入るという人もいます)

更にアルカリ、水酸基がαへリックスの水素結合を外す(緩める)のに必要で、理論上はこうしないと縮毛矯正は無理ではないかという話もあります。(酸性域で矯正をするひとは技術力でカバーしているのかも・・・それはそれですばらしい事です。)

この水素結合は簡単には切れないそうで、緩むのが多いらしいです。
われわれは、水で切れると習ったんですがそうではないらしいですね。

アルカリと還元剤で水素結合とシスチン結合の切断(緩み)をして酸化剤で再結合という事で永久的な縮毛矯正が実現できるという事かなと自分なりに理解しています。(間違っているかもしれませんが)

まあこんな理屈がわからなくても、上手にされている美容師はたくさんいると思います。
理論と実際は異なる事も有ると感じています。