エルコス アシッド イレイザーで黒染め落とししたら髪の毛が明るく?

先日、エルコス アシッド イレイザーを使用したら髪の毛が明るくなったと言う事を聞きました。

黒染め落としに便利な製品で髪の毛も傷めないと言うエルコス アシッド イレイザーのお話です。

なぜそうなったのか、そう感じたのか詳しくはわからなかったのですが、本来アシッドイレイザーには髪の毛を明るくする成分であるブリーチ剤は配合されていないのです。

少し細かく言うとエルコス アシッドイレイサーは脱染剤であって脱色剤ではないのです。
エルコス アシッド イレイザー 訳あり 処分

エルコス アシッドイレイザーで髪の毛を明るくはできない!

この製品は黒染め落としなどに使用する脱染剤です。

ヘアカラー剤の色の元であるジアミン系の色素は分解(正確には還元)出来ても髪の毛の色の元であるメラニン色素の分解は出来ないのです。

だから使用しても使用前の髪の毛の色よりも明るくなるはずはないのです。

エルコス アシッドイレイザーで明るくなると思う原因

ではなぜ、黒染め落としのエルコスアシッド イレイザーの使用で髪の毛が明るくなったと感じたのでしょうか。

状況を察するに、まずおしゃれ染めのヘアカラーで明るく染めた・・・・

明るい髪の色を暗くするのに暗いヘアカラーで染めた・・・・

また明るくしたいので、アシッドイレイサー(イレイザー)で暗い色を落とした・・・・

このパターンなら、先に明るいおしゃれ染めで明るくしたところに暗い色素が入って、後にその色素を取ったのだから、髪の毛は地毛よりも明るくなるはずです。

でも、今回のパターンの感違いは別のところに有るのではないかと思いました。

脱染剤を使用する上の注意と勘違い?

それを妄想?すると!

と言うよりも、圧倒的にに多くの人が勘違いしている部分を想像すると!

2つのパターンが考えられます。

一つ目は元の髪の毛が少し明るめの人がヘアカラーで地毛よりも暗くしてしまった。

二つ目は白髪染めで良く染まるようにと時間を多く置いたり、暗めのヘアカラーを使用して、希望よりも暗く仕上がってしまった。

どちらも予想よりも暗い髪色になってしまったわけです。

そこでエルコス アシッド イレイザーで、その色を落としてもとの髪色に戻そうと黒染め落としをしたら明るくなってしまった。

こういうパターンなのではないでしょうか。

なぜ、自分の髪色よりも暗いヘアカラーをしてその色素を取ったのに元の髪の毛の色よりも明るくなってしまったのか?

やっぱり、ブリーチもしているんじゃないの?

エルコス アシッド イレイザーって!

ほんとうに黒染め落としだけなのか?

今回のケースでは最終的に髪の毛が明るくなる、つまりメラニン色素を破壊するんですから、やっぱりブリーチが入っているんです・・・・

暗い色の白髪染めに!!

原因はアシッドイレーザーの前にしたヘアカラーだった!

えっ?白髪染めにブリーチなんて入ってないのではと思う人も多いでしょう。

なぜか!

その理由は?

まず、通常におしゃれ染めであっても白髪染めであってもヘアカラー(2浴式永久酸化染毛剤か?)と言うのは2つの製品を混ぜ合わせて、その反応を利用して染めます。

酸性カラーやヘナカラー中性カラーなどでなくドラッグストアで一番販売されているものです。

その中身の主体は、一つは過酸化水素でもう一つはアルカリと染料(色素)です。

染料前躯体とかカップラー(中間体)とか小難しい事は抜きにして、この3つで髪の毛に色がついたり明るくなるわけです。

2つの液体やクリーム・泡などが混ざって髪の毛につくと成分であるアルカリが髪の毛を膨潤させて浸透を促進します。

それによって髪の毛の中に入った染料が過酸化水素によって酸化重合して発色、表面のキューティクル自体も膨潤したり染まったりします。(余談ですがキューティクルって無色なんだよー)

コレによって髪の毛に色がつくわけですが、染料だけでなくアルカリと過酸化水素も反応して今度は髪の毛を脱色をしていきます。

つまり、ブリーチして髪の毛のメラニン色素を壊して髪の毛の色を明るくしてしまうのです。

もし、白髪染めで地毛くらいに染めようとしたときにブリーチ力がないヘアカラーで染めるとしましょう。

白髪が希望の色に染まるなら白髪でない黒い髪には更にヘアカラーの色がのっかって地毛以上に黒く・暗くなってしまうのです。

限りなくブラック(漆黒)にするなら、そうなっても色の違いは目だたないでしょうが、黒い部分はさらに黒くなっているんですよね。

でも、安心してください!

履いてます・・・モトイ!

入ってます・・・ブリーチが!

暗いヘアカラーでもブリーチ効果がプラスされているので、黒髪は少し明るく(白髪に明度が近づく)なって、色素が入るし白髪はそのまま色素が入る(ブリーチする色素がありませんから)ので、白髪と黒髪の明度差が少なくなるのです。

と言う事で(かなり大雑把な説明です)

黒く染めたからブリーチもしてないし(傷んでもいない?)、エルコス アシッド イレイザーで脱染すれば黒が取れて元の髪色に・・・黒染め落としができる!

と思ってしまったのでしょう。

しかし、説明の様に色を取ってしまう・脱染してしまうとヘアカラーリング時のブリーチ効果で明るくなってしまった髪色が出てしまうというのが今回のエルコスアシッド イレイザーで髪の毛が明るくなったと言う真相なんでしょう。

でも、こんな理屈を一般の消費者が知る由も有りませんよね。

正しく使用すればエルコス アシッド イレイサーは良い製品です。

ドラッグストアでもネットでもヘアカラーは簡単に手に入る時代ですが、使いこなすのは難しいものです。

TVショッピングの光酸化の銀塩カラーで緑になった方も拝見しています。(切るしかないのが現状です。)

それがわれわれ美容師であってもまだまだ理解が足りない・・・と感じています。

エルコス アシッド イレイザー 訳あり 処分

訳あり、と言ってもほぼ新品で箱汚れ品と言ってよいのを限定処分しています。

エルコス アシッド イレイザー 訳あり 処分